お盆はどのようにお迎えすればいいですか?
2025.7.3

昔からお盆といえば、一般的に、亡くなられた先祖がこの世にかえってきて、お盆をわが家で過ごされて、またあの世へかえっていく、その霊を追善供養し冥福を祈ることとして迎えるものだと考えられているようです。迎え火・送り火などもそういった心持ちの表れでしょう。
しかし、浄土真宗のお盆の捉え方は異なり、迎え火・送り火もしません。
亡き方を案じ、供養したいという思いは自然なことですが、先祖を供養する私たちの心根は、先祖を敬うことの見返りに除災招福を望み、自分の欲望を満足させるための利己的なあり方をしているともいえるのではないでしょうか。
昔から真宗門徒は、亡き人を「諸仏」といただいてきました。「諸仏」とは、私たちを人間としての真実の生き方へ導いてくださる仏さまです。
つまり、私たちから亡き人への”祖先崇拝”ではなく、亡き人を私たちに「真実に目覚め、真実に生きよ」と呼びかけてくださる”諸仏”といただき、自身が仏さまの教えに生きる者となってこそ、本当に亡き人を大事にすることになるのです。
亡き人を案じる私が、実は亡き人から案じられている身であったことに目覚め、あらためて、人間として賜ったいのちや生きる意味を問う”聞法の機縁”こそ、お盆なのです。
(東本願寺出版:『仏教・仏事のハテナ?』より)
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